あなたに合う働き方は?保育士の主な就職先と働き方。それぞれのメリット・デメリット

あなたにぴったりの働き方を見つけよう
保育士といえば「正社員で朝から晩まで子どもと向き合う」というイメージがあるかもしれませんが、実は働き方は1つではありません。
今はライフスタイルに合わせて、いろいろな選択肢があるんです!
今回は「保育士の働き方」についてわかりやすくご紹介します。転職や復職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
私立保育園(正社員)
保育園で正社員保育士は、保育園などでフルタイム・長期的に働く雇用形態です。安定した勤務形態でキャリアを積むことができる一方、責任や業務量も伴います。
特徴
- 雇用形態:フルタイムの常勤職員(無期雇用)
- 勤務時間:週5日、1日8時間程度のシフト制(早番・遅番あり)
- 主な業務:クラス担任・書類作成・保護者対応・行事運営など幅広く担当
- 待遇面:賞与・昇給・社会保険・有給休暇など福利厚生が安定している
メリット
- 収入と雇用が安定している:月給制で賞与・昇給もあり、生活設計が立てやすい
- キャリアを積みやすい:副主任・主任・園長など、ステップアップの道がある
- クラス運営に深く関われる:子どもたちの成長を長く見守れる
- 職場での信頼を得やすい:中心的な役割を担うことで、やりがいにつながる
- 福利厚生が手厚い園もある:退職金制度、住宅手当、育休復帰支援などが整っている場合も
デメリット
- 業務量が多くなる傾向:担任業務や行事準備など、任される仕事が多くなりやすい
- 責任も大きい:保護者対応やトラブル対応など、現場の中心としての判断が求められることも
- 残業や持ち帰りが発生する場合も:勤務時間外に書類作業や準備が必要になることがある
- シフト勤務で生活リズムが不規則になりやすい:早番・遅番など、勤務時間の変動がある
- 人間関係の影響を受けやすい:職員間の連携やチームワークが重要になる職場
私立認定こども園(正社員)
認定こども園で働く正社員保育士は、保育園で働く保育士同様にフルタイム・長期的に働く雇用形態です。安定した勤務形態でキャリアを積むことができる一方、責任や業務量も伴います。
認定こども園は、幼稚園と保育園の両方の機能を持つ施設です。保育と教育を一体的に行い、保護者の就労の有無に関係なく利用できます。
特徴
- 雇用形態:フルタイムの常勤職員(無期雇用)
- 勤務時間:週5日、1日8時間程度のシフト制(早番・遅番あり)
- 主な業務:クラス担任・書類作成・保護者対応・行事運営など幅広く担当
- 待遇面:賞与・昇給・社会保険・有給休暇など福利厚生が安定している
メリット
- 収入と雇用が安定している:月給+賞与・昇給あり、生活設計が立てやすい
- キャリアを積みやすい:副主任・主任・園長などへの昇進が可能
- クラス運営に深く関われる:子どもの成長を継続して見守れる
- 信頼を得やすい:中心的な役割を担うことでやりがいも感じやすい
- 福利厚生が手厚い園もある:住宅手当、育休・復職支援、退職金制度などが整っている場合も
デメリット
- 業務量が多くなりやすい:担任業務、書類、行事準備などが集中しやすい
- 責任が大きい:保護者対応やトラブル対応で判断力が求められる
- 残業・持ち帰り仕事の可能性:勤務時間外の作業が発生することも
- シフト勤務で生活リズムが不規則になりやすい:早番・遅番などシフト制の影響
- 人間関係に影響を受けやすい:チームワークや連携の質が働きやすさに直結する
パート・アルバイト保育士
特徴
- 雇用形態:有期または短時間勤務の非正規職員(時間給制が多い)
- 勤務時間:週2〜5日、1日2〜8時間など、シフトは柔軟に設定されやすい
- 仕事内容:保育補助・フリー保育士・延長保育・担任サポートなどが中心
- 担任の有無:基本的に「担任なし」、補助・サポートが多い
メリット
- 柔軟な働き方が可能:家庭や自分の都合に合わせて、希望シフトで働ける
- 負担が比較的少ない:書類や行事の準備などが少なく、精神的なプレッシャーが小さい
- ブランク明けでも始めやすい:フルタイム復帰前のステップとしても利用しやすい
- 複数の施設で経験できる:掛け持ちや短期契約で、いろいろな園を見られる場合も
- 人間関係のストレスが軽減されやすい:正職と比べて役割責任が軽く、気楽に働けることが多い
デメリット
- 収入が不安定になりがち:時給制・勤務日数により収入にばらつきが出やすい
- 担任や主担当になりにくい:子どもとの長期的な関わりが薄くなることも
- キャリアアップの機会が少なめ:昇給・昇進などは限られている場合が多い
- 待遇に差が出ることも:園によっては交通費支給・有給・福利厚生に差がある
- 長期雇用が保証されにくい:契約更新が前提のため、継続的な雇用が不透明な場合も
派遣保育士
特徴
- 雇用形態:派遣会社に登録し、契約期間ごとに保育園などへ派遣される
- 勤務形態:短期間・単発〜長期まで様々。シフトは派遣先のニーズに応じる
- 仕事内容:保育補助や担任のサポートが中心で、正規保育士の補助役が多い
- 給与形態:時給制が一般的で、派遣会社から支払われる
メリット
- 働く園や期間を選べる自由度が高い
- 短期間から働けるのでブランク明けや転職活動中でも始めやすい
- いろいろな園やスタイルを経験でき、スキルアップにつながる
- 時給が比較的高め(地域によっては1500円以上も)のことが多く、効率よく稼げる場合がある
- 契約期間が決まっているため、仕事の区切りがつきやすい
デメリット
- 同じ派遣先に最長で3年までしか働けない
- 雇用が不安定になりやすく、契約が途切れることもある
- 担任などの責任あるポジションには就きにくいことが多い
- 園の人間関係や環境に馴染むのが難しい場合がある
- 福利厚生やボーナスがない、もしくは少ないケースが多い
- 勤務先や仕事内容が頻繁に変わるため、慣れるまで大変なことも
公務員保育士(正規職員)
特徴
- 勤務先:市区町村立の公立保育園、児童福祉施設など
- 雇用形態:地方公務員(正規職員)として採用
- 採用方法:自治体ごとの公務員試験を受験(保育士資格+筆記・面接等)
- 仕事内容:クラス担任、保育計画、保護者対応、行事運営など正社員保育士と同様
メリット
- 収入・待遇が安定している:月給制+年2回の賞与(4か月分前後)あり、自治体基準で安定
- 福利厚生が充実:社会保険、退職金、育休・産休制度、公的住宅補助など手厚い
- キャリアアップの道がある:主任、園長、指導監、行政職(こども課など)へ昇進のチャンスも
- 雇用が非常に安定:自治体職員として定年まで勤められる可能性が高い
- 異動でさまざまな経験ができる:複数の園や施設を経験でき、視野が広がる
デメリット
- 採用試験の難易度が高い:自治体によって倍率が高く、筆記・面接・実技などの準備が必要
- 異動がある:数年おきに園や施設が変わるため、人間関係を一から築く必要がある
- 保育の自由度が限られることも:自治体の方針に沿った運営が求められ、柔軟さに欠ける場面も
- 業務量・責任が大きい:担任+事務作業や行事も多く、繁忙期には負担が増すことも
- 異動や昇進により現場から離れることもある:年次や評価によっては、行政職へ異動することも
会計年度任用職員(非正規・公立園)
特徴
- 雇用形態:地方公務員法に基づく「非正規の公務員」
- 勤務先:市区町村の公立保育園や児童施設など
- 契約期間:年度ごとの有期契約(最長1年/再任用あり)
- 仕事内容:保育補助〜担任業務まで、園の体制によりさまざま
- 待遇:時給または月給+期末手当あり(自治体により異なる)
メリット
- 公立園で働けるチャンス:正規採用の試験なしで公立保育園に勤務可能
- 比較的柔軟な働き方:パート型〜フルタイムまで、希望に合った勤務が選べる場合も
- 一定の安定感がある:公的機関での勤務のため、民間と比べて雇用の安心感がある
- 福利厚生が一部整っている:社会保険・有給休暇・期末手当が支給される自治体もある
- ブランク明けにも◎:復職の第一歩として選びやすい
デメリット
- 契約が1年ごとの更新制:長期的な雇用が約束されているわけではなく、継続には園側の判断が必要
- 正規職員との待遇差がある:昇給や退職金制度はなく、ボーナスも少なめなことが多い
- 任用上限(原則3年)に注意が必要:一部自治体では再任回数に上限が設けられている場合も
- 責任は重くても待遇が比例しないことも:担任を任されるケースもあるが、待遇は正規と異なる
- 異動・配置換えの柔軟性が少ない:基本的に任用された園での勤務に限られがち
企業内保育
企業内保育(事業所内保育)は、企業が自社の従業員のために設置・運営する保育施設です。近年、働き方改革や女性の社会進出を背景に、福利厚生の一環として導入する企業が増えています。
特徴
- 対象:主にその企業の従業員の子ども(地域枠で外部児童を受け入れることもあり)
- 設置場所:企業のオフィス内や近隣に設置される
- 運営形態:企業が自社で運営するケースと、外部委託(保育事業者に委託)するケースがある
- 開園時間:企業の勤務体系に合わせて柔軟(平日の日勤帯中心/24時間体制のケースも)
- 保育規模:小規模〜中規模(10〜30人程度が多い)
メリット
- 土日休み・定時退勤の園も多い
- 少人数保育が中心:家庭的でアットホームな雰囲気
- 保護者と連携しやすい:同じ会社の従業員という安心感から信頼関係が築きやすい
- 残業や持ち帰り仕事が少なめな場合も:業務負担が少なめな施設もある
デメリット
- 求人数が少なめ(都市部に多い)
- キャリアアップの機会が少ない:小規模なため主任・園長職がないケースも多い
- 保育方針が企業寄りになることも:保護者が“同僚”であるため、クレーム対応が難しいと感じる保育士も
- 人員に余裕がない場合もある:少人数での運営が多く、急な休みへの対応が難しいことも
病院内保育
病院内保育(院内保育)とは、病院職員の子どもを対象とした保育施設のことで、多くは病院の敷地内や隣接地に設置されています。
- 主な対象:病院職員(医師、看護師、技師など)の子ども
- 設置場所:病院の敷地内や隣接する施設
- 開園時間:24時間保育や夜間・土日対応など、医療現場に合わせた柔軟な運営体制
- 小規模保育が多い:定員10〜30名程度の施設が多く、家庭的な雰囲気
- 保育内容:一般的な保育園と大きな違いはないが、年齢別クラス分けがない場合も
メリット
- 少人数保育:子ども一人ひとりとじっくり関われる
- 保護者との距離が近い:職員同士で保育・育児について気軽に相談しやすい関係が築ける
- シフトに柔軟性がある場合も:家庭の事情で日勤中心などを選びやすい施設もある
デメリット
- 小規模ゆえ、急な休みに代替が効きにくい
- 24時間保育の場合、夜勤シフトがある
- キャリアアップ機会が限られることも
ベビーシッター
ベビーシッターとは、保育施設ではなく、家庭などで子どもの保育・見守りを行う保育サービスです。個別対応が可能なことから、保護者のライフスタイルに合わせやすく、保育園とは異なる柔軟な保育形態として需要があります。
特徴
- 保育場所:基本的に家庭(利用者の自宅)での保育
- 対象年齢:新生児〜小学生まで幅広い
- 保育時間:保護者の希望に応じて柔軟(早朝・夜間・短時間・長時間など)
- 保育人数:基本的に1対1(きょうだい同時など、最大2〜3人のことも)
- 雇用形態:個人契約・ベビーシッター事業者・マッチングサービス経由など多様
メリット
- 子ども一人ひとりに寄り添える:1対1だからこそ、じっくり丁寧に関われる
- 自由度が高い:自分の得意分野(音楽・英語・知育など)を活かせる
- ワークスタイルを選べる:フリーランスや副業、スポット的な仕事も可能
デメリット
- 孤独を感じやすい:基本1人での勤務、保育士同士の連携がない
- 責任が重い:1対1保育のため、トラブル対応もすべて一人で対応する必要あり
- 保護者との関係構築が難しいことも:家庭のルールや価値観に合わせる必要があり、ストレスになる場合も
児童館・児童クラブ
特徴
- 主な対象:乳幼児(親子連れ)〜小学生中心、中高生の利用もある
- 勤務場所:地域の児童館、公立・民間あり
- 職種名称:保育士資格を活かせるが、「児童厚生員」「児童指導員」としての採用が多い
- 仕事内容:自由遊びの見守り、遊びの企画・指導、イベント運営、子育て支援、地域連携など
- 勤務時間:8:30~17:30など日勤帯が多いが、放課後対応のため13:00~21:00などのシフトもあり
メリット
- 多様な年齢の子と関われる:乳幼児〜小中学生まで幅広い年齢層との関わりが持てる
- 遊び中心の関わり:保育・教育というよりも“遊び”を通じて成長を支える
- 行事・イベント企画ができる:季節行事や工作教室、地域交流など創造的な活動が多い
- 子育て支援の一端を担える:親子クラブや子育て講座など、保護者支援も担当
- 比較的穏やかな人間関係が多い:職員数が少なく、アットホームな職場も多い
デメリット
- 求人数が少なめ
- 生活援助は少なめ:遊び中心の関わりで、保育園のような食事や排泄の援助なし。「クラスの担任」のようなやりがいを感じにくい
- 採用枠が少ない:特に公立館では募集タイミングに注意が必要
あなたに合う働き方は?
保育士の働き方は「1つだけ」ではありません。
大切なのは、今の自分のライフスタイルや価値観に合っているかどうかです。
例えば、
- しっかり稼ぎたい → 正社員/派遣
- 子育てと両立したい → パート/時短勤務
- 人間関係に悩みたくない → 派遣/ベビーシッター
など、選び方もさまざまです。
まとめ
保育の仕事は、働く園や雇用形態によってまったく違う世界になります。
「つらい」「もう限界」と感じる前に、働き方を見直してみるのも一つの選択です。
これから転職を考える方は、自分に合った働き方ができる園を探してみてくださいね!